般若心経は、649年に、インドから帰国した玄奘も訳したとされています。
ちなみに、訳経史の概念としては鳩摩羅什までの漢訳経典を「古訳」、鳩摩羅什以降、玄奘までを「旧訳(くやく)」、玄奘以降を「新訳」と言います。
しかし、テキストの主要部分が鳩摩羅什訳『摩訶般若波羅蜜経』からの抽出文そのものであり、玄奘が翻訳した『大般若経』の該当部分とは異なるため、明確に玄奘訳であるということではない。
現在、玄奘訳の最古とされるものは、672年に建てられた弘福寺(興福寺)の集字聖教序碑中の『聖教序』の後に付加されているテキストがあります。
しかし、太宗が聖教序を下賜した648年から大幅に時間が経過している上、跋文に脚色したという記載もあることから、この碑文は玄奘の没後にその偉業を讃えるために鳩摩羅什の訳文を元に玄奘訳としてまとめられたものではないかとする説もあります。
また読誦用として最も広く普及している玄奘訳とされる『般若心経』ですが、羅什訳と玄奘訳との双方がある経典は、元来前者が依用されていることを考慮するときわめて異例のことです。
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